予定 令和版・精進大和煮白菜鍋
白菜鍋で世界一周(一人分)
鯨の大和煮の大和煮とはなんですか?
「大和煮(やまとに)」とは、日本独自の保存・調理法の名前で、
とくに 明治〜昭和にかけて広まった和風の甘辛煮 を指します。
大和煮とは何か(定義)
大和煮=
醤油・砂糖(またはみりん)・生姜で、
肉や魚を甘辛く濃いめに煮含めた料理法
特徴は次の3点です。
醤油ベースの甘辛味
生姜を効かせる
水分を飛ばして保存性を高める
なぜ「大和」なのか?
ここが面白いところです。
① 「大和=日本風」という意味
大和は日本の古称
**洋風・中華風に対する「和風」**というニュアンス
👉
「和風の味付けで煮たもの」=大和煮
② 軍隊・保存食との関係(重要)
明治以降、日本軍の缶詰・保存食として広まる
鯨・牛肉・馬肉などを
→ 腐りにくい甘辛味+生姜で加工
👉
「軍用保存食としての和風煮」
という文脈が強い料理名です。
鯨の大和煮の場合



なぜ鯨なのか?
戦前〜戦後、安定して手に入る動物性たんぱく
臭みが出やすい
→ 生姜+濃い醤油が理にかなう
鯨の大和煮の特徴
濃い醤油味
甘みと生姜で鯨特有の香りを抑える
ご飯のお供・酒肴・非常食
「佃煮」との違い
| 項目 | 大和煮 | 佃煮 |
|---|---|---|
| 味 | 甘辛だがややあっさり | 非常に濃い |
| 生姜 | ほぼ必須 | 必須ではない |
| 用途 | 主菜・保存食 | 副菜・常備菜 |
| 時代背景 | 近代(軍・缶詰) | 江戸時代 |
👉 大和煮は「近代日本の保存技術」
料理思想的に見ると(大谷さん向けの視点)
これ、今やっている
**「料理の思想マップ」**にぴったりはまります。
大和煮の思想
✔ 食材のクセを調味で制御
✔ 保存性を味で担保
✔ 日本的だが、実は近代合理主義
👉
「自然と調和」より
「技術で管理する和」
これは
味噌・醤油・生姜
軍用・非常食・缶詰
とつながる、近代日本の料理思想です。
まとめ(短く)
大和煮=醤油・砂糖・生姜で煮含めた和風甘辛煮
「大和」は日本風・和風の意味
鯨の大和煮は
保存性・臭み消し・栄養確保を目的とした近代料理
もしよければ次は
鯨の大和煮を白菜鍋に落とし込むとどうなるか
大和煮思想 vs 世界の保存煮(コンフィ・アドボ・ルンダン等)
このあたりも一緒に整理できますよ。
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おすすめのたんぱく質も教えてください。
いいですね、この発想。
「鯨がないのに“大和煮思想”は残す」──まさに料理思想の抽出実験です。
ではいきます。
鯨なし・大和煮思想の白菜鍋(1人分)
この鍋のコンセプト
鯨大和煮の**味の骨格(醤油・甘み・生姜)**を再構成
白菜で水分と甘みを補う
「保存食の味 → 鍋料理」への翻訳
材料(1人分)
基本
白菜 …… 100g
水 …… 200ml
生姜 …… 5〜7g(千切り or すりおろし)
調味
醤油 …… 大さじ1
砂糖 …… 小さじ1〜1.5
(きび糖・三温糖・黒糖なら尚よし)みりん …… 小さじ1(あれば)
酒 …… 小さじ1
おすすめたんぱく質(※後述で理由解説)
以下から1つ選んでください。
豚ロース or 豚肩 …… 60〜80g
鶏もも …… 70g
厚揚げ …… 1/2枚(80g前後)
大豆ミート(乾燥)…… 15g(戻して使用)
作り方
① 下準備
白菜:ざく切り(芯と葉を分ける)
たんぱく質:一口大
② スープを作る
鍋に以下を入れて火にかける:
水 200ml
酒
砂糖
みりん
生姜
→ 沸かす前に甘みを溶かすのが大和煮的ポイント。
③ 白菜の芯 → たんぱく質
白菜の芯を入れて2〜3分
たんぱく質を入れて火を通す
④ 仕上げ
醤油を加える
白菜の葉を入れ、さっと煮る
味を見て足りなければ
→ 醤油数滴 or 砂糖ひとつまみ
食べる直前のおすすめ
黒胡椒 少々
七味 少々
👉 生姜×醤油×甘みの輪郭が立ちます。
たんぱく質おすすめ理由(思想的)
🥇 豚肉(最有力)
鯨の「赤身+脂」に一番近い
生姜・醤油との相性が抜群
戦後日本の大和煮代替素材
👉 思想的後継者
🥈 鶏もも
クセが少なく、味を吸う
保存煮→家庭鍋への変換に向く
🥉 厚揚げ・大豆ミート
植物性なのに保存食文脈
戦後・現代的アップデート
味を含ませるほど「大和煮感」が出る
味変・展開案(1杯目→2杯目)
追い生姜
味噌 小さじ1(※入れすぎない)
最後にご飯を入れて「大和煮雑炊」
一言まとめ
鯨がなくても、大和煮は作れる。
なぜなら大和煮は食材ではなく思想だから。
これ、
「白菜100gで作る日本近代料理思想」
という章タイトル、かなり強いですよ。
次に進むなら
大和煮 × 韓国(チャンジョリム)
大和煮 × 中国(紅焼)
大和煮 × フランス(ブレゼ)
どれに行きます?
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なんとなく合いそうな気がするので。合うなら大豆ミート大和煮白菜鍋一人分のレシピをお願いします。
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直感、かなり良いです。合います。
しかもこれは偶然ではなく、**大和煮の思想的に「正解寄り」**です。
ガリのみじん切りは合う? → 合います(条件つき)
なぜ合うのか
ガリは本質的に:
生姜
砂糖
酢
= 大和煮の要素をすでに内包しています。
つまり
「生姜+甘み+軽い酸」
→ 鯨の大和煮が持っていた
臭み制御・保存思想に非常に近い。
注意点(ここ重要)
酢が入っているので
👉 入れすぎると南蛮漬け寄りになる「主役」ではなく
👉 補助的な生姜として使う
生姜の最適配分(1人分)
すりおろし生姜 …… 小さじ1
ガリのみじん切り …… 小さじ1/2
👉 生姜の立体感が出る黄金比
大豆ミート × ガリ生姜
大和煮思想の白菜鍋(1人分)
コンセプト
鯨大和煮の保存・制御の思想
植物性たんぱくで再構築
甘・辛・酸の「近代和風バランス」
材料(1人分)
具材
白菜 …… 100g
大豆ミート(乾燥) …… 15g
水 …… 220ml
香味
すりおろし生姜 …… 小さじ1
ガリ(みじん切り) …… 小さじ1/2
調味
醤油 …… 大さじ1
砂糖(きび糖・三温糖) …… 小さじ1
みりん …… 小さじ1
酒 …… 小さじ1
下準備
大豆ミートは熱湯で戻す
→ 軽く絞る(絞りすぎない)白菜は芯と葉を分け、ざく切り
作り方
① スープを作る(大和煮の核)
鍋に入れる:
水
砂糖
酒
みりん
すりおろし生姜
中火にかけ、先に甘みと生姜を溶かす
② 大豆ミートを煮含める
大豆ミート投入
2〜3分弱火寄りで煮る
👉 ここが「大和煮」工程
③ 白菜の芯 → 醤油
白菜の芯を入れる
醤油を加える
2分ほど煮る
④ 葉とガリで仕上げ
白菜の葉を入れる
ガリのみじん切りを最後に投入
さっと火を通して完成
食べる直前の仕上げ
黒胡椒 少々
(好みで)七味 少々
※ 酢は足さない。ガリで十分。
味のイメージ
最初:甘辛・醤油
中盤:大豆ミートに染みた「煮物感」
後味:ガリ由来の軽い酸と生姜のキレ
👉 保存食的なのに重くない
料理思想的まとめ
大和煮は「鯨の料理」ではない。
生姜・甘辛・制御という
日本近代の合理思想である。
ガリを入れた時点で、
これはもう
**「令和版・精進大和煮」**です。
次は
ガリ多めで「南蛮寄り」に振る
味噌を1/2だけ足して「戦後家庭味」
〆に焼き餅を入れて「非常食完成形」
どれ、いきますか?
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